昭和の抵当権が残っていた土地
「この土地、そのまま使っても大丈夫なのだろうか?」
今回は、親族から畑を譲り受け、これから耕作を始めようとしていた40代男性からのご相談をご紹介します。
登記簿を確認したところ、昭和の時代に設定された古い抵当権が残っていることが分かりました。
調べてみると、昔の所有者がその土地を担保として、ある組合から借入れをした際に設定されたもののようでした。
このような古い抵当権は、実はそれほど珍しいものではありません。
昭和の頃は、借入れを完済していても抵当権抹消登記まで行われず、そのまま残ってしまっているケースも見受けられます。
なお、抵当権が残っていても、耕作などの使用自体が直ちに制限されるわけではありません。
しかし、将来的に売却や担保設定を行う際には支障となる可能性があります。
今回のご相談者様も、現時点では耕作目的ではあるものの、将来的に売却する可能性も見据え、抵当権を抹消しておきたいとのご意向でした。
通常、抵当権を抹消するためには、お金を貸していた側から必要書類を受け取り、法務局へ申請する必要があります。
しかし今回は、その組合がすでに解散しており、清算も完了していました。
つまり、書類を発行してもらう相手が存在しなかったのです。
そこで当事務所では、令和5年4月から始まった
「不動産登記法第70条の2の規定による抹消」手続きを検討しました。
この制度ができるまでは、解散した会社や組合が権利者となっている古い抵当権を抹消するには、手続きが複雑で、時間や手間がかかることが少なくありませんでした。
しかし、本制度の創設により、一定の要件を満たせば、不動産の所有者側から、従来よりも進めやすい方法で抹消登記を申請できるようになりました。
古い抵当権が残ったままの土地は、相続や贈与、売却の際に思わぬ支障となることがあります。
「昔のものだから」とそのままにせず、土地や登記について気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

司法書士法人ファーストNiは、岡山県を中心に活動する司法書士事務所です。不動産・会社関係・高齢者問題など複雑多岐に渡るお客様のご要望にワンストップで対応させていただきます。



