相続を放っておくと大変なことに!?~曽祖父名義の土地が出てきたケース

「父の相続をしていたら、曽祖父名義の土地が出てきたんです」

そんなご相談を受けることがあります。

 

今回ご依頼くださったのは、70代の男性。

お父様の相続手続きを進めていたところ、登記簿に“曽祖父”“祖父”の名前が残ったままの土地が見つかりました。被相続人は明治生まれ。かなり昔から名義が変わっていなかったことになります。

 

実はお父様も生前、その土地の名義変更を試みて別の司法書士へ依頼されていたそうですが、相続人の一部から協力が得られず、手続きが中断してしまっていたとのことでした。

古い時代の相続を放置してしまうと、このように「誰のものなのか分からない土地」が増えてしまいます。

 

弊社で改めて戸籍をすべて調べ直したところ、なんと曽祖父の代から数えて50人以上の相続人がいることが分かりました。

世代をまたぐごとに相続人の数はどんどん増えていきます。相続を先送りにするほど、関係者の範囲が広がり、手続きが複雑になるのです。

 

幸い、今回は令和6年の法改正(所有者不明土地対策の強化)を踏まえ、再度手続きを進めることになりました。ほとんどの相続人の方が快くご協力くださり、最終的に連絡が取れなかった数名については、家庭裁判所で遺産分割調停を行い、審判書をもとに無事、土地の名義変更を完了することができました。

 

このように、相続登記を長年放置すると、相続人の数が膨大になり、手続きに多大な時間と費用がかかることがあります。

令和6年4月からは、相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記をしないと、過料(罰金)が科される可能性もあります。

 

「名義が昔のままになっている土地がある」「親の代で話が止まっている」――

そんな方は、ぜひ早めに司法書士へご相談ください。

手続きを先延ばしにしないことが、将来のご家族の負担を減らす第一歩です。